おいしいうどんは多々あれど、松山といえば鍋焼きうどん!!
寒い冬は体を温めるのにもってこい!
暑い夏だってハフハフしながら食べちゃいます!
瀬戸内で取れた新鮮な魚ももちろん自慢ですが、松山のソウルフード、鍋焼きうどんも食べてみんけん♪
そもそも「うどん」とは?
うどんとは小麦粉と塩と水で練って長く切り、ある程度の幅と太さがある麺のことです。
うどんは手軽な庶民食、米の代用食として古くから日本全国で食べられてきました。また、お祭りなどの祝い事に際してふるまわれる特別な食事としても地域に根付き、地域それぞれの調理法や具材が使われてきました。
うどんの発祥
うどんの発祥には諸説あるようです。
うどんの原料である小麦は人類最古の作物のひとつとされ、紀元前8千年頃から西アジアで栽培が始まったとされています。
やがて小麦はシルクロードを経て、中国に広まっていきます。
そのため、発祥となる説も中国から伝わってきたものだという説と日本で独自に発展したものだという説の2種類があるようです。
・奈良時代に遣唐使によって中国から渡来した小麦粉の餡入りの団子菓子「混飩(こんとん)」に起源を求める説。
・989年平安時代、一条天皇が春日大社へ詣でた際に「はくたく」を食べたという「小右記」の記述から、発祥は奈良とする説
※当時の味を再現した「春日はくたくうどん」が販売中。
はくたくうどんは小麦粉、山芋粉、米粉、塩、吉野葛でつくられた平麺。
・仁治2年(1241年)に中国から帰国した円爾が製粉の技術を持ち帰り、うどん、そば、まんじゅうなどの粉物食文化を広めたとする説
※承天寺(福岡県)の境内には「饂飩蕎麦発祥之地」と記された石碑が建っている。
・中国から渡来した切り麦が日本で独自に進化したものという説
(全てウィキペディアより抜粋)
うどんの語源
江戸時代の浮世絵に描かれた看板などに「うんどん」と書かれていることがよくあり、明治初期の辞書である「言海」には、うどんはうんどんの略だと書かれています。
江戸時代前期には全国的に広く知られ、食べられるようになっていたようです。
ちなみに江戸時代中期までの薬味はコショウだったそうですよ。
日本三大うどん
うどん界に「三大うどん」という言葉があります。
1つは香川県の讃岐うどん、そして秋田県の稲庭うどん。
この2つは知名度や普及率から三大うどんに含まれるとされています。
しかし、3つ目にあたるうどんに4つの候補があるのです。
長崎県五島うどん
群馬県水沢うどん
富山県氷見うどん
愛知県きしめんの4つです。
<香川県讃岐うどん>
うどん県としても有名な香川県の讃岐うどん。
とにかくコシが強いのが特徴で、もちもちとした食感と噛んだときに小麦の香りが広がります。
太めの手打ち麺です。
<秋田県稲庭うどん>
秋田県の南部で発展したという稲庭うどん。
2本の棒に麺をかけ、ひねりながら練るという独特の製法で食べたときの滑らかな食感を引き出します。
ひやむぎよりは太いが幅2~3㎜の細く平たい手延べ麺です。
<長崎県五島うどん>
五島列島で生産されている五島うどん。
細麺ながら強いコシを持ち、椿油を塗って熟成させるのが特徴で、つるんとしたのどごしと小麦と椿油の風味豊かな香りが楽しめます。
<群馬県水沢うどん>
群馬県発祥で水澤寺の参拝客にふるまわれていたところからこの名前がついたされた水沢うどん。
もともとは手打ちで作られていたのですが、現在では機械を使って作っているところが多いそうです。
コシと弾力がつよく、若干細めでつるつるとした白い麺です。
<富山県氷見うどん>
富山県氷見市周辺で発展した氷見うどんは輪島そめんがルーツとされています。
基本は手延べ製法ですが、途中で手打ち製法のようにこねる作業が加わります。
そのため、手延べの滑らかさと手打ちのつよいコシを合わせ持ったのどごしの良い麺となっています。
<愛知県きしめん>
愛知県名物のきしめんは幅が広く薄い麺です。
乾麺については「幅4.5ミリ以上かつ厚さ2.0ミリ未満の帯状に成形したもの」と日本農林規格にて定められています。
コシは弱く食べやすい、つるつるとなめらかな口当たりの麺です。
うどんの種類
うどんは大人から子供まで食べやすく、人気がある食べ物です。
さらにつゆや具材、器をかえるだけで様々な味や食べ方にアレンジすることができます。
代表的な食べ方は次の5通りです。
<かけうどん(丼)>
丼に茹でたうどんを入れ、熱々のつゆを注いぐ食べ方です。
ねぎや生姜などの薬味や天ぷらや肉など、乗せる具材を変えて楽しむことができます。
<皿うどん(うどん鉢など)>
細麺、太麺、またはそれらをパリパリに揚げた麺に具入りの餡をかけたもので、大きめのうどん鉢に盛られることが多い食べ方です。
餡の中に入れる野菜や具材で味の違いを楽しめます。長崎県の郷土料理として知られています。
<ざるうどん(ざる)>
ざるの上に盛られた冷たいうどんを麺つゆにつけながら食べます。
冷たくのどごしがよく、見た目にも涼しい暑い夏にぴったりな食べ方です。
麺自体の旨味や食感を楽しむことができます。
<たらいうどん(たらい)>
徳島県阿波市の郷土料理で釜揚げうどんのたらい版。
元々は林業や農業で働いていた大勢の人への振る舞い飯として作られていたそうです。
茹でたうどんをゆで汁と一緒に大きな木のたらいにうつし、麺つゆにつけながら大勢で食べる食べ方です。
<鍋焼きうどん(土鍋など)>
以下に詳しくみていきます。
鍋焼きうどんとは?
煮込みうどんの一種で、一人前用の小鍋にめんつゆとうどん、油揚げやかまぼこ、卵などの具材を乗せて調理し、そのまま小鍋から食べるうどんです。
具材はお店によって様々。
ニンジンなどの野菜をいれたり、牛肉や鶏肉、つみれをいれるお店もあります。
鍋焼きうどんの登場は江戸時代末期。
歌舞伎劇場、江戸三座のひとつとして知られた市村座の『粋菩提禅悟野晒(すいぼたいさとりののざらし)』という芝居のなかで、大阪四天王寺山門前で夜鳴きうどんを商う男が客に向かって「ついこの前までは大阪名物のえんどう豆を売っていたのだが、近ごろ流行の鍋焼きうどんにすっかり押されてしまい、それから商売がえをしました」というセリフがありました。
その中に「鍋焼きうどん」という言葉が取り上げられたところから、大阪の屋台で人気があったと言われています。
東京に伝わったのは少し遅れて明治6、7年頃。
下町辺りを中心に、東京でよく食べられていた「夜鷹そば」を押して鍋焼きうどんが浸透していったそうです。
松山の鍋焼きうどん
甘いものが貴重だった戦後すぐに誕生し、地元住民に親しまれ続けている松山のソウルフード。
松山の鍋焼きうどんは甘めのつゆに柔らかい麺で、基本的に甘辛く煮た牛肉をメインの具材にしたものが主流です。
土鍋ではなくアルミ鍋で出されるお店が多いのも松山の鍋焼きうどんの特徴のひとつです。
冬季限定で提供されることが多い鍋焼きうどんですが、松山では夏季を含め一年中食べられるお店がたくさんあります。
松山の鍋焼きうどんのお店2強!!
1、ことり
ことりは昭和24年開業の老舗店。
もちろんアルミ鍋の鍋焼きうどんです。
具材は玉子焼き、甘辛く煮た牛肉、ねぎ、刻んだ油揚げ、なると。
柔らかく太めのうどんと甘いいりこ出汁が特徴です。
メニューは鍋焼きうどんといなりのみ。
住所:愛媛県松山市湊町3-7-2
営業時間:10:00~14:00(無くなり次第終了)
定休日:水曜日
2、アサヒ
アサヒは昭和22年開業。こちらも老舗店です。
アサヒの鍋焼きうどんの具材はかまぼこ、ちくわ、刻んだ油揚げ、甘辛く煮た牛肉、ねぎ、とろとろ卵はありなし選べます。
こちらもアルミ鍋です。
ことりと同じく柔らかいうどんといりこ出汁。
アサヒのほうがことりよりも甘く、しっかりとした味付けです。
住所:愛媛県松山市湊町3-10-11
営業時間:10:00~18:00(無くなり次第終了)
定休日:水曜日
作ってみよう!松山風の鍋焼きうどん
<材料>
・鍋(できたらアルミ鍋。一人用の土鍋でも可)
・うどん(コシのないやわらかいもの)
・かまぼこ、刻み揚げ(味付き)、小口ネギ、甘辛く煮た牛肉、卵
※その他、しいたけなどお好みの具材をご用意ください。
・水(300㏄)、和風だし(小さじ一杯)、しょうゆ(小さじ一杯)、みりん(大さじ一杯)
・砂糖(小さじ1/2)※入れなくても可
<作り方>
- 鍋に水、和風だし、しょうゆ、みりん、(砂糖)を入れて煮立たせる。味見をしてお好みの甘さに調整する。
- 沸騰したらかまぼこ、刻み揚げ、甘辛く煮た牛肉、卵、(用意しているほかの具材)を入れて蓋をして煮たたせる。
- 小口ネギを散らして完成。
やけどに注意して食べてくださいね。
アレンジ例
甘辛く煮た牛肉→鶏肉や天ぷら
刻み揚げ→刻まずにそのままで
かまぼこ→ちくわやなると
卵→玉子焼き
小口ネギ→長ネギ
キムチや味噌でつゆの味を変えても楽しめます。
鍋焼きうどんのカロリー
鍋焼きうどんのカロリーは、鍋焼きうどん一人前で約520kcal~550kcalだといわれています。
これをごはんに換算するとお茶碗2杯分くらいにあたります。
高カロリーすぎる!!ということはないと思いますが、気になる方は具材を代えて対応してみましょう。
鍋焼きうどんのカロリーを占めているのが卵、油揚げ、天ぷら等の揚げ物です。
その代わりに野菜類やきのこ類を多くしてカロリーを下げていきましょう。
また、トウガラシのカプサイシンも脂肪燃焼に効果的なのでキムチなどで変化をつけるのもいいかもしれません。
まとめ
煮込むだけで簡単に家でも作れる鍋焼きうどん。
アレンジも自在で、自分好みの鍋焼きうどんを発見するのも楽しいですね。
今回紹介させていただいた2店のお店以外にも、おいしい鍋焼きうどんを食べられるお店が松山にはたくさんあります。
心もお腹もほっこりあたためる松山の鍋焼きうどんを、松山にお越しの際には食べてみてくださいね!