うどんといえばよく耳にするのが香川県の讃岐うどん。
もちもちとした強いコシがクセになり、無性に食べたくなるんです!
でも香川県に行かないと食べられない?
いいえ!そんなことはありません!
お隣、愛媛県松山市でもおいしい讃岐うどんが食べられます!
そこで今回は讃岐うどんと松山のうどんとの違いに触れながら、松山で食べられる讃岐うどんのお店を紹介します。
讃岐うどんとは
讃岐うどんは香川県の特産うどんです。
香川県民にとってうどんは特に好まれている料理であり、一人当たりの消費量も全国一位となっています。
2011年には「うどん県」としてうどんを全面的に推しだした観光キャンペーンをスタートさせた香川県。
観光客が香川県への行き先の理由や香川県の魅力第一位に讃岐うどんを挙げるほど、全国的に讃岐うどんの認知度は高く、日本三大うどんの一つにも数えられています。
うどん自体は古くから日本全国にありますが、香川県は特にうどんのトップブランドとして広く認知されており、特にゆかりがなくとも「讃岐風」と表示されることがあります。
讃岐うどんの表示に「名物」や「本場」「特産」などを使う場合、
・香川県内で製造されたもの
・手打ち、手打ち式(風)のもの
・加水量(小麦粉重量に対し40%以上)
・食塩(小麦粉重量に対し3%以上)
・熟成時間(2時間以上)
・茹で時間約15分で十分アルファ化されていること
と決められています。
※アルファ化…うどんの原料である小麦粉のでんぷんは「生」のままでは消化吸収できません。しかし水分と熱を加えると粒子が膨潤して糊化(アルファ化)し、消化吸収できるようになります。これがうどんを茹でる目的です。
手打ちと手延べのちがい
<手打ち>
手打ちの原料はシンプルに小麦粉と塩と水の3つだけです。
小麦粉に塩と水を足してよくこね、作った玉を麺棒で伸ばして平たくすることを
を手打ちといいます。
これを包丁で切って1本1本の麺にしていきます。
断面が四角く、しこしことした食感が手打ち麺の特徴です。
生地をこねはじめてから麺に仕上がるまで約2~3時間かかるといわれています。
<手延べ>
手延べの原料は小麦粉と塩と水と食用油の4つになります。
玉を作るまでは手打ちと同じですが、その玉をすーっと長く1本の紐のようになるように油を塗りながら少しづつ伸ばしてから麺の長さに切っていきます。
断面は丸く、なめらかでのどごしの良い麺となります。
麺に仕上がるまでには約30時間かかるともいわれています。
讃岐うどんの歴史
平安時代に弘法大師空海が修行のために中国(唐)に渡ったとき、そこで麺文化を知り、技術を学び、うどんを香川県に伝えて讃岐うどんが誕生したと言われています。
うどんの材料となる良質の小麦、塩、しょうゆ、いりこ(煮干し)などが古くから特産品だった香川県。
それらを簡単に入手することができたので、うどんの発展もめざましかったのでしょう。
うどんを名物とし始めたのは1960年代頃だと考えられています。
讃岐うどんの代表的な食べ方
小麦、塩、水というシンプルな素材で作られる讃岐うどん。
シンプルだからこそ様々な食べ方や味が楽しめます。
代表的な食べ方を紹介します。
<かけうどん>
あたたかい麺にあたたかい出汁をかけて食べる最もベーシックなうどん。
いりこ出汁が多い讃岐うどんですが、ベーシックなかけうどんだからこそあえてかつお出汁を使ったり、乗せる具材などでお店の個性を出していきます。
ネギと天かすだけなどシンプルな具材であることが多いうどんです。
<ぶっかけうどん>
茹であがった麺を冷水で締め、濃い目の出汁を直接ぶっかけるうどんです。
ネギや大根おろしなどがトッピングされていることが多く、麺と一緒に豪快にかき混ぜて食べます。
「あたたかい」「つめたい」などの温かさの違いを選べるお店もあります。
<ざるうどん>
茹であがった麺を冷水で締め、ざるなどの器に盛って提供される、見た目も涼しげなうどんです。
濃い目の出汁にに付けながらつるつるとしたのどごしを楽しめます。
<釜揚げうどん>
釜の中で茹であがった麺をそのまま茹で汁ごと器に移したあたたかいうどんです。
出汁につけながら食べます。
冷水で締めずあたたかいままなのでふんわりもちもちのうどんが楽しめます。
<生醤油うどん>
茹であがった麺を冷水で締めたあと、直接しょうゆをかけて食べる生醤油うどん。
讃岐うどんの特徴であるコシやもちもちとした食感が際立つ食べ方です。
また、特産であるしょうゆにも香川県ならではのこだわりがあります。
香川県の讃岐うどんと松山のうどんの特徴
讃岐うどんの特徴
・つるつるとのどごしの良いコシの強い麺
・もちもちの食感
・コクのある味わいのいりこ出汁
です。
なかでも讃岐うどんは「コシが強い」のが特徴ですが「硬い」わけではありません。
口に入れた瞬間はやわらかく、噛むほどにもちもちとした弾力がある。
これが「コシ」です。
讃岐うどんを打つときに、古くから「足踏み」という工程があります。
足踏みをして生地を折りたたみ、また足踏みをして生地折りたたみしっかり休ませる。
これを繰り返してコシと弾力のあるおいしい讃岐うどんとなります。
足踏みをすることで適度な力をいろいろな方向から加えることができるのです。
松山のうどんの特徴
・コシがありながらやわらかい麺
・もちもちとした食感
・透き通った甘い出汁
です。
なかでも甘い出汁は松山ならではの味。
うどんはもちろんのこと、ラーメンやからあげ、ミートソースも関東の方が食べると甘いと感じるかもしれません。
愛媛県民は甘い味付けを好む傾向があるのです。
それには「麦」が関係しているのではないかという説があります。
麦の栽培が盛んな愛媛県は全国でも数少ない麦みそ文化です。
愛媛の麦みそは一般的な米味噌に比べて甘味のもとになる麹の割合が高いのです。
腐りやすい大豆をあまり使わないため塩分が低く、甘さがより引き立った味噌になります。
味噌は日常的に使う食材です。
この味噌が身近なものである愛媛県民は、古くから甘い味に慣れ親しんでいるのです。
さらに、料理や出汁に使うしょうゆも四国は甘いとされています。
しかも四国の南側(九州寄り)いくほど甘くなる傾向があると言われています。
昔、九州の甘口しょうゆが愛媛に伝わったことがきっかけとされていて、この甘いしょうゆが瀬戸内海で獲れる魚介類によく合うことから広まったようです。
風味豊かな昆布やいりこ、さらに松山の甘いしょうゆで作った出汁のうどんは、ホッとするやさしい味わいです。
松山で食べられる讃岐うどんのお店 3選
- 力みなぎる完全無欠うどん 空太郎
何を隠そう、うちですね。笑
旧空港通りにある「力みなぎる完全無欠うどん 空太郎」。
香川県の名店「亀城庵」で修業を積み、その技術を叩き込んできた店主が作る、本場の讃岐うどんが食べられるうどん屋です。
麺には何十種類もの小麦粉の中から選び抜いた国産小麦を使用。
小麦粉と塩と水というシンプルな材料で作られるうどんだからこそ、主となる小麦粉の選別に手は抜きません。
コシがあり、もっちりとした太麺は食べ応え抜群!と口コミでも広まっています。
また、天然の国産昆布と伝統的な天然酵母で作られたしょうゆで作るうどん出汁はきれいに透き通った黄金出汁。
化学調味料不使用でからだにやさしい出汁であることがこだわりです。
やさしい甘さのなかに感じる深い味わいは、麺との相性もピッタリです。
住所:愛媛県松山市空港通3-2-11
電話:089-906-4192
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定休
- 踊るうどん永木
香川県に移住してまで最高のうどんを探し求めた初代のもとで修業をつんだ三代目が現在の店主。
味はもちろんのこと、うどんへの想いやこだわりも受け継いだお店は、三代目に引き継がれても健在と評判です。
また、テレビや雑誌などの取材も多く、松山での認知度も高いお店です。
柔らかいけれどもちもちとしたコシがある麺は毎日手打ち、包丁切り。
この麺は讃岐うどんよりも加水率が高いため、気温や湿度によって調整を行う緻密な手ごねと丁寧に15分茹でることで出来上がります。
添加物なしの出汁は100%国産のいりこ、いわし、昆布で毎日取るもの。
食後にこのうどん出汁を飲ませてくれるほど、麺にも出汁にも自信があります。
2018年ミシュランガイドに掲載されました。
本場のうどんが松山三津でいただけます。
住所:愛媛県松山市須賀町2-37 リバーサイドナカオ
電話:089-953-5162
営業時間:11:00~14:30 売り切れ次第終了
定休日:月曜日
※残念ながら2020年3月に閉店しました
- 讃岐うどん 桜製麺 和泉南店
香川県高松市の人気セルフうどん店で修行した店主がつくる、こだわりの讃岐うどんが食べられるこのお店もセルフ式です。
コシが強いのが特徴の讃岐うどんといえども、店ごとに個性を出しています。
なので、自分に合ったお店を見つけるのも楽しみの一つです。
こちらのうどんはコシは弱めの出汁重視。
強すぎるコシが苦手な方にオススメです。
瀬戸内のいりこと地元のしょうゆで作る出汁は塩分控えめでやさしい味わい。
やや薄味の出汁とつるつるとしたのどごしの麺は相性抜群です。
住所:愛媛県松山市和泉南2-11-15
電話:089-905-8288
営業時間:10:30~15:00
定休日:月曜日
まとめ
いかがでしたか?
有名な讃岐うどんは古くから歴史を刻んできたものだということがわかりました。
長い間愛され続けてきた讃岐うどんは全国に広がり、香川県に行かずとも気軽に食べられる身近なうどんとなってきました。
今回、松山で食べられる讃岐うどんのお店を3店ご紹介しましたが、まだまだたくさんのお店が松山にはあります。
また、「讃岐うどん」といってもコシの強さや出汁などの違いでお店の個性を出しているので、いろいろなお店を食べ比べて自分好みの讃岐うどんを探すのもおもしろそうですね♪