脱サラし うどんに人生をかけた生粋のうどんバカ
大将 石井真夫がおくる 空太郎の誕生秘話。
ージレンマー
1980年愛媛県松山市に生まれました。
幼稚園で転校1回、小学校転校3回、中学生で転校1回…
せっかくできた友達ともすぐに離れ離れになってしまい、
とても辛かったのを覚えています。
蓄膿症が酷く12~15歳までに手術3回、入院2回。
学級委員をするなど優等生でしたが、手術後も体調が優れず、
成績がガタ落ちしてしまうなど波乱万丈な子供時代を過ごしました。
1996年 16歳 高校生になりバイトで接客の楽しさを知りました。
1998年 18歳 大手パンメーカーに就職。
2001年 21歳 上司とそりが合わず退職。フリーターに・・
2002年 22歳 松山市中央卸売市場仲卸会社へ就職。(八百屋)
2005年 25歳で結婚。
しかし八百屋では理不尽な要求によるストレス、
休日でもかかってくる仕事の電話に、
プライベートが無い生活を送っていた僕は、
疲れ果てやる気も出ず、
頑張れないジレンマに苦しんでいたのです。
ー脱サラを決意ー
2012年 32歳 脱サラを決意しました。
TV「人生の楽園」で脱サラうどん店開業物語を見て感銘を受けました。そして「自分も大好なうどん店を開業したい」という夢も持つようになったのです。家族に相談しましたが案の定、猛反対。めげずにコツコツ勉強と貯金を続けながら1年かけて説得しました。
2013年 33歳 ついに脱サラ!修行開始!
3月 なんとか家族を説得することに成功し、10年間お世話になった会社を辞め脱サラしました。僕の夢を応援してくれた家族には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 うまくいくかどうかもわからないのに本当に思い切ったことをしたと思いますが後悔の気持ちは全くありませんでした。
2013年 4月 香川のうどん学校で学び、うどん屋で修行。
朝8時~夜22時まで休む間もなく修行に明け暮れました。
ー念願!空太郎オープンー
2013年 空太郎オープンに向けてついに動き出しました。
5月 愛媛で店舗探しを開始。7か月で50件ほど見て回り、やっと希望にピッタリの店舗が見つかったのです。
11月 ついに店舗を契約。夢が叶うと期待が高まりました。
12月 開店に向け1か月試行錯誤の日々。いつ開店するの?と散々言われまくる毎日でした・・。
何十種類も試して国産小麦粉「うどん日本」に出会いました。僕の理想とするうどんの麺が完成した瞬間でした。
イリコ、昆布、するめいかなど様々な魚介を取寄せ、身体に優しくて美味しい出汁を作るために一心不乱に研究を重ねました。完成した黄金出汁は空太郎のうどんに最高の命を吹き込んでくれたのでした。
2014年2月18日 ついにオープン。
親戚や友人元職場の方が来てくださり、好調なスタートを切ることが出来ました。
これからのうどん人生に胸が高鳴ったのを覚えています。
ー溶けた資金ー
念願叶っての開業でしたが、正直お店の運営はまったくの素人でした。
「美味しいうどんを作り続ければきっとお客様が来てくださる」そう信じて疑わなかったのです。
しかし開店から1か月半経った4月、お客さんが全然来なくなりました。
ランチタイムでも多くて10人…
それもそのはず…お店は空港通りから入った路地にあり目立たない。
のぼりも無いし、うどん屋がそこにあるということに気づかない、知らない。
自分の店がそんな状況だったことに僕は気づいていなかったのです。
必死にポスティングをしたり、地元グルメ番組「もぎたてテレビ」などに取り上げてもらってもリピーターに繋がらず、あっという間に資金が溶けてしまったのです。
2015年2月末の時点で残金7万円。
2015年までに約500万円の赤字になり、借金はどんどん増えていったのです。
ワラにもすがる思いで経営者の叔父さんに知恵をかりに行くと、かしてくれたのはなんと大金だったのです。
僕は震えて涙がにじみました。
絶対に軌道に乗せる!
叔父を裏切れない!
何よりお客様に「うどんを通じて幸せになってもらうんだ!」
そんな思いで、もうやけっぱちでプレゼントキャンペーンをしたんです。
「人気のとりもも天プレゼントキャンペーン」
これがとても好評で、お客様に本当に喜んでもらえたこと、楽しんでもらえたことがとてもとても嬉しかった。
心から幸せを感じました。
「諦めちゃいけない」お客様のエールだったような気がします。
うどんの神様にも「もう少しがんばれ!」そう言われた気がしました。
2016年 良いメンターに出会うことができ、飲食店運営の極意を教わったことで少しずつお客様が通ってくださるようになりました。「お客様に空太郎の美味しさが伝わりはじめている」と分かって本当に嬉しかった。
頑張りすぎて体調を崩し1か月開店できなかったこともありましたが、それでもなんとか乗り越えて少しずつ黒字の月が増えていったのです。
そして2017年。オープンから約3年、たくさんのお客様にご来店いただけるようになり、ついに年間通して黒字に。
2017年地元紙タウン情報まつやま麺総選挙にてうどん部門総合1位をいただき、苦しいときも諦めずにやり続けて本当によかったと思いました。
そして2018年ミシュランガイドに掲載されたのです。
ここまで頑張れたのも、皆さまが空太郎のうどんを愛してくださったからこそ。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
2022年、いまだに新型コロナウイルスという驚異にさらされ厳しい状況ではありますが、この危機を乗り越えるために、空太郎は新たな挑戦を試みています。
その中でもどんをお客様に楽しんでいただきたいという信念を元に、スタッフと助け合いながら、今以上に美味しい最高のうどんをお客様にお届けしたいと思っております。
勉強会を開いて接客を見直したり、新作メニューを開発したり、イベントを開催するなど、お客様に楽しんでいただけるよう日々進化してまいります。
「お子様からお年寄りまで安心して食べていただける身体に優しいうどん」
「食べた方にパワーを注入できるような力みなぎるうどん」
この信念とともに、大将、スタッフ一同精一杯励んでまいります。
今後とも、空太郎をどうぞよろしくお願い申し上げます。